糖尿病網膜症|一宮市の眼科・小児眼科|木曽川いとう眼科

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糖尿病網膜症

糖尿病網膜症|一宮市の眼科・小児眼科|木曽川いとう眼科

糖尿病と目の関係

糖尿病網膜症

糖尿病は初期では自覚症状がほとんどないため軽視されがちですが、血糖の高い状態が続くことで、全身にいろいろな合併症を引き起こします。糖尿病は、血糖値の上昇が続く生活習慣病で、血管に大きな負担をかけ、血管がつまっていく病気です。全身的には心筋梗塞・脳梗塞等を起こすと言われております。眼球に関しては、目の奥の網膜にある細い毛細血管が、高血糖の悪影響を受けやすい場所であり、血管が詰まる・出血するなどを起こし、糖尿病網膜症を引き起こします。

糖尿病網膜症について

糖尿病網膜症は糖尿病に関係してあらわれる目の病気です。
糖尿病には合併症がいくつもありますが、糖尿病腎症、糖尿病神経症とともに三大合併症と呼ばれているのが糖尿病網膜症です。
高い血糖値が続くと、毛細血管に大きな負担をかけ続けます。網膜には、細い毛細血管があり、高血糖の悪影響を受けやすい場所です。網膜の血管が詰まる・出血するなどして、網膜に酸素や栄養素が不足し、組織がダメージを受けて視力が低下します。これが、糖尿病網膜症です。
また、網膜の酸素や栄養素が不足すると、新生血管という異常な血管を作ってしまうことがあります。新生血管はとてももろい血管なので、破綻して出血を起こします。新生血管から大出血した場合は視力の大幅な低下を招くことになります。
その他にも、繊維状の膜である増殖組織が出現し、網膜を引っ張って網膜剥離を引き起こしたり、もろくなった血管から血液の成分が網膜に漏れて、網膜がむくむ黄斑浮腫を引き起こしたりすることがあります。これらが出現すると著しく視力が低下することがあります。

糖尿病網膜症は、初期にはほとんど自覚症状がありません。しかし、糖尿病になって5年で40%の人が糖尿病による眼病を起こすともいわれています。そして、糖尿病網膜症は日本の中途失明原因の上位にあります。糖尿病の診断を受けたら、症状がなくても必ず眼科検診を受けてください。
初期に発見できれば、食事や運動などによる血糖コントロールで進行を抑えることも可能です。
それ以上に進行してしまった場合は、レーザーによる網膜光凝固術で新生血管の発生を抑制したり、抗VEGF薬の硝子体注射で黄斑浮腫を抑えたりします。さらに進行して硝子体出血や網膜剥離、黄斑部の牽引などが確認された場合には、手術での対応が必要になります。

糖尿病網膜症の治療

糖尿病網膜症の治療は、しっかりした血糖コントロールを行うことです。
血糖コントロールを行っても糖尿病網膜症が進行するならレーザー光凝固術が必要となります。
レーザー光凝固術をしても進行するようなら手術が必要となることもあります。

糖尿病網膜症の進行

糖尿病網膜症は、進行状態によって3段階に分けられ、治療法も異なります。
また、視力に大きな影響を与える「糖尿病黄斑浮腫」は、3段階すべてであらわれる可能性があります。

単純糖尿病網膜症(初期)

血糖コントロールで改善できることもありますが、自覚症状がほとんどありません。
そのため、定期的な眼科検診を受けることが重要です。
糖尿病網膜症の初期は、網膜の血管壁が盛り上がる血管瘤をみとめたり、毛細血管がもろくなり小さな出血を起こしたり、血管から血液成分が漏れていたりする状態です。

増殖前糖尿病網膜症(中期)

網膜の血管が広範囲に閉塞している状態です。
酸素や栄養素が行きわたらなくなるため、新生血管という、もろく破れやすい血管を作り出す準備を始めます。
糖尿病網膜症の中期は、かすみ目などの自覚症状があることもありますが、全く症状があらわれない場合もあります。
そのため、できるだけ早く適切な治療を受けることで進行を止める必要があります。

増殖糖尿病網膜症(進行期)

糖尿病網膜症が進行すると、新生血管が破れて硝子体出血を起こし急劇な視力低下を起こすことがあります。
繊維状の膜である増殖組織が網膜を引っ張って網膜剥離を起こすと、視野を大きく欠損させてしまうこともあります。
視力を少しでも残すために、できるだけ早く手術などを受ける必要がある状態です。

糖尿病黄斑浮腫

網膜中心部には、黄斑というものを注視する際に用いられる場所があります。
糖尿病黄斑浮腫は糖尿病の高血糖によって黄斑がむくむ病気で、視界がぼやける、見ているものがゆがむ、暗く見えるなどの症状が起こります。むくみが続くと黄斑の神経が障害を受けて、視力や視野に障害が現れます。糖尿病黄斑浮腫が続く場合には治療が必要で、レーザー治療を行ったり、抗VEGF薬の硝子体注射を行います。